あれから1週間が経ち、今年も残すところあと2週間となりました。
毎年、この時期になると、いろいろと焦ります。
1週間後には、クリスマス………。
その1週間後には、大晦日………。
先日、あるTV局で報道部にいた方と話をしていた時に、
当時は、週に1日宿直の日があり、
クリスマスイブに担当が回ってくると、
もれなく、元旦の取材も付いてくる……という…、
2週連続で、深夜の大変な取材が回ってくる……。
でも、当時は、それが、大変でもあるけど、
何だか嬉しくもあり、楽しくもあったそうです。
話を聞いていて、その気持ち……すごくよくわかるなぁ……と、
思っていました。
今年もいろいろなことがありました。
歴史的な円安、値上げラッシュ、終わりのないコロナ禍、ウクライナ危機………と、
世界に様々な風が吹き荒れる現在、
商号を変えることなく長い歴史を重ねる老舗の存在感が高まっています。
企業の平均寿命が30年と言われる中、老舗はなぜ永続することができるのか?
それは、まず、何をおいても日本は島国のため、
敗戦後の一時期を除いて、他国の支配を全く受けなかったことが挙げられます。
これらの地理的、歴史的な環境や条件に、恵まれていたことは何よりも幸いなことでした。
2番目の理由は日本人の勤勉性です。
つまり、仕事に手を抜かず、一途に打ち込む国民の習性です。
宣教師のフランシスコ・ザビエルは、慎ましく勤勉な日本人の民族性に驚きました。
「500年後、日本人は世界を代表する民族になるだろう」と賞賛したそうです。
その言葉のとおり、日本人の勤勉、倹約の精神は、
いまや世界中の人々が認めるところとなりました。
3番目の理由は、顧客のために誠心誠意尽くすという顧客第一主義です。
この顧客第一主義は日本独自のものと考えてよいでしょう。
西洋の国々の思想的ベースにはキリスト教があり、その根本は神の愛、隣人愛です。
だとしたら、商いにもそれが反映されて然るべきですが、
残念ながら顧客第一主義、利他主義という概念は彼らにはありません。
むしろ善悪よりも損得を優先する個人主義的な考え方が主なのです。
そして4番目は人材の育成です。
徹底して社員の面倒を見て教育し、
最後には暖簾(のれん)を分けるという発想もまた西洋にない日本独自のものです。
日本に老舗が多い4つの理由を挙げましたが、
そのことを端的に示しているのが老舗に残る家訓です。
例えば、江戸初期から300年以上存続する三井家は,
初代・三井高利が「現金掛け値なし・正札商売」という斬新な発想で,
越後屋呉服店を飛躍させたことで知られています。
もう一つ、老舗といわれる企業や店舗には、
どこも立派な神棚や仏壇が備えられているのです。
そして、店主や従業員は毎日、神仏に向かって伝統を守り抜くことを誓います。
先人への感謝を忘れないでいることも、人や企業が繁栄する大切な要素なのかもしれません。
経営の逆風が吹き荒れたとしても、老舗と呼ばれる企業は、安定した経営を続けます。
真面目に、堅実に、お客様を大切にし、従業員も大切にし……、
そして、神や先祖に感謝をする。
そういう企業が、永く安定した経営を継続し、50年……100年と社歴を積み重ねていける訳です。
弊社は、ようやく30年……、日本企業の平均です。
今後、50年……100年……、どれだけ続けば、老舗の仲間入りできるのでしょう。
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