スワローズが、20年ぶりの日本一に輝きました。
今回の日本シリーズは、毎試合熱戦で、
野球の面白さを十分に伝えることができた名勝負ばかりでした。
しかし、厳しいプロの世界なので、日本一を争う陰では、
今年も戦力外通告を受ける選手もいるわけです。
人数に限りがあるプロの世界では、
毎年、将来を期待されて入団する選手と……、
自由契約や引退を余儀なくされる選手が、
入れ替わっていきます。
野球だけでなく、どんな世界でも、厳しいプロの世界では、
ただ努力するだけでは、第一線で活躍し続けることはできません。
そこには、何が必要になるのか?
例えば、偉大なる音楽家、1770年にドイツで誕生したベートーベン。
彼は数多くの名作を残し、後世の音楽家たちに多大な影響を与えました。
皆さんも、学校の音楽室で彼の肖像画を見たことがあるでしょう。
そんな誰もが知っているベートーベン。
しかし、音楽家としての華々しい実績とは裏腹に、
実は重度の聴覚障害を患っていたのは有名なお話なので、
ご存知の方も多いと思いますが、音楽家にとって、難聴は致命的な病気です。
一体、彼はどうやって、この困難を乗り越えたのでしょうか。
ベートーベンは20歳を過ぎたころから徐々に耳が聞こえなくなり始めました。
一時は自殺も考えたといいます。
しかし、彼はこの難聴を克服するために、さまざまな試行錯誤を行いました。
まず、特製のピアノを作りました。
口に指揮棒をくわえてピアノにつけ、歯に伝わってくる振動によって、
音の強弱を感じとったといいます。
さらに、彼はオーケストラの指揮をする際、
曲のテンポを知るために、メトロノームを使いました。
メトロノームの揺れから、視覚的に曲の速さを理解したというのです。
こうして難聴を克服しながら、多くの名曲を世に送り出していきました。
交響曲第一番を除き、作品のほとんどは障害が始まって以降に作曲したというから驚きです。
それでは、難聴の克服は、彼がさまざまな工夫をしたから可能だったのでしょうか。
確かに特製ピアノやメトロノームがなければ、音楽家を続けることは不可能だったでしょう。
しかし、重要なことは、そういう手段や方法だけではないのです。
考えてみてください。
歯の振動や視覚によって、音を把握しながら作曲するということが、
どれほどの困難を有したでしょうか。
きっと並大抵のことではなかったはずです。
では、なぜそれができたのでしょうか。
その鍵は、ベートーベンが25歳のときに記した手記にありました。
そこにはこう記されてあります。
「勇気を出せ。
たとえ肉体に、いかなる欠点があろうとも
我が魂は、これに打ち勝たねばならない。
25歳、そうだ、もう25歳になったのだ。
今年こそ、本物になる覚悟をせねばならない」
そうなのです、
彼には強烈な「決意」があったのです。
もしベートーベンが次のように考えていたとしたら、
どのような結果となっていたでしょうか。
「耳が聞こえない状態で、楽曲を作ることなんてできない」
彼はきっと音楽の道を諦めてしまっていたでしょう。
しかし、ベートーベンはさまざまな創意工夫を行うことによって、
数々の素晴らしい作品を残しました。
現在でも歴史上、もっとも偉大な音楽家の一人として称えられています。
この大きな違いを生み出したのが、まさに「決意」なのです。
【決意があれば、方法は後からついてくる】
ベートーベンの逸話は、私たちにこの非常に大切なことを教えてくれています。
あなたにはどれくらい、
今掲げている目標を果たす「決意」があるでしょうか。
それが100パーセントの決意であれば、
すでにその時点で、目標は達成されているのです。
人が成功を手に入れるには、
並大抵の努力と、たぐいまれなる才能と、
絶対に揺らがない『決意』が必要になるという訳です。
ただ、努力をすればいいという考えでは、成功はありえません。
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